高齢ドライバーの「運転技能検査」合格できなければ免許失効
一定の交通違反歴がある７５歳以上のドライバーに義務づけられる「運転技能検査」について、警察庁は来年５月１３日に開始する方針を明らかにした。免許更新時、期限までに合格できなければ、車の運転免許を失うことになる。
高齢ドライバーによる重大事故の多発を受けて成立した改正道路交通法で、この「技能検査」の新設が決まった。教習所や運転免許センターで実際に車を運転し安全に運転できるかどうかを検査する。
検査概要をまとめるとこんな感じだ。
・検査は期限の６か月前から何度でも受検できる。
・不合格の場合、運転免許の更新はできないが、希望により生活に必要な原付きバイク等の免許は維持できる。
・受検を義務づけられるのは、過去３年間に信号無視、逆走、速度超過など１１類型の違反がある者。
・受検期間６ヵ月確保のため、来年１０月１２日以降７５歳以上の誕生日を迎える人から対象となる。
警察庁では、免許更新を迎える７５歳以上の７％程度に当たる年間約１５万人が受検対象になるとみている。
改正道交法ではこのほか、自動ブレーキなどの安全装置を備える「安全運転サポート車」に限定した免許の創設も決まっている。希望する人が自ら申請して免許を切り替える仕組みで、同じく来年５月１３日に制度を開始する予定だ。
さて・・・。
ここからが本題だ。
何かにつけ、やり玉に挙げられる高齢ドライバーだが、果たして本当に危険な存在なのだろうか？
データを見てみよう。
年齢層別の交通事故率
年齢層別に免許保有者１０万人当たりの事故件数を調べた（警察庁：令和２年交通事故の発生状況）。
事故件数を多い順に書くとこうなる。
・１６～１９歳 １０７５件
・２０～２４歳 ５９５件
・８５歳以上 ５２２件
・８０～８４歳 ４４０件
・２５～２９歳 ４２０件
・７５～７９歳 ４１８件
ん？
圧倒的に危険なのは１０代のドライバーではないのかと思うのだが、実は死亡事故に限った数字を見るとちょっと様子が違ってくる。
死亡事故を件数の多い順に書く。
・１６～１９歳 １１.４件
・８５歳以上 １１.３件
・８０～８４歳 ６.５件
・７５～７９歳 ４.１件
・２０～２４歳 ３.９件
なるほど、高齢ドライバーは確かに危険だ。
１０代のケースとは、明らかに理由は異なるだろう。
運動神経など様々な能力の衰え。
高齢者よ、免許を返納しなさい！
誰しも事故を起こそうとして運転しているわけではない。自分は大丈夫・・・と思っていても、人間の能力は確実に衰えていく。不幸な被害者を生んでからでは手遅れなのだ。
これは、他人ごとではなく、やがて高齢となる自分自身への言葉。